コロナ感染者数と自殺者数の推移・考察ー全国自殺者数の年推移ー

自殺者が多いと言われる日本の自殺者数について考察します。
統計データに則って、統計学的・客観的に解析、グラフもご紹介。
(あくまで統計データに関する考察なので、「自殺の良し悪し」を含めて自殺の是非を考察するものではありません。正直、「自殺」という単語ばかりが出てきて、書いている方としても辛く暗くなってくる部分が多々ありますが、学術的な考察として参考にして頂ければ幸いです)

コロナ感染者数と自殺者数の推移・考察
-自殺の全国的な傾向-

日本の自殺者数は統計局のデータでは最新が2020年。その他存在するデータを参照すると年を追うごとに全国的な自殺者数は大局としては減少傾向にありました。
日本全国の自殺者数は2013年で約29.6万人、2015年で約23.2万人、2017年で約20.5万人となっています。「自殺が多い」と言われる日本にあって、様々な取り組みが奏功している結果、こうした減少傾向にあるのかもしれません。
一方で、2017年まで減ってきたのに対し、2018年以降は2万人を下回ることなく「下げ止まり」の状態が続き、2017年→2018年で約400人増、2019年→2020年で約800人増となりました。

全国自殺者数(年推移)グラフ

「コロナウィルスが自殺率に影響を与えている」とは、これだけでは言えません。
何故なら2020年単独の因子であるにも関わらず、2017年以降下げ止まり、2018年にも微増を見せているからです。

コロナ感染者数と自殺者数の推移・考察
-自殺の都道府県別の傾向-

一方、都道府県別にみてみるとどうでしょうか。都道府県別の自殺者数を確認してみましょう。
まずは大都市圏を中心に、北海道・東京都・愛知県・大阪府・福岡県・沖縄県を見てみます。

どの都道府県も2010年以降、減少傾向なのは全国規模のデータと同様です。が、単純集計のデータとして都道府県ごとに比較すると東京都が突出して多いことがわかります。
東京都の自殺者数は(年を追うごとに減少傾向ではあるものの)このデータの最小値でも1936人(2017年)を記録しています。これは全国の自殺者数のうちの9.5%を占めており、47都道府県で最も多い値です。
2018年に増加している都道県もあれば、大阪府は2018年に減少を見せ、2020年にまた増加しています。

更に関東・首都圏の1都6県を見てみます。
自殺者数(関東圏)年推移

ここでも全国の減少傾向と同様に年を追うごとには減少傾向です。特に1都3県の首都圏で自殺者数が多いことが見て取れます。
全国の自殺者数のうち2017年データでは神奈川県で6.6%、埼玉県で5.7%、千葉県で4.8%と大阪府の7.1%についでいます(尚、愛知県で5.2%、北海道で4.5%を占めています)。
「首都圏が生活圏の場合、(相対的に)自殺に接触する機会が多い」ということも言えそうです。全国の自殺者数のうち、25%を超える自殺者数が首都圏に集中しています。

コロナ感染者数と自殺者数の推移・考察
-自殺の都道府県別の傾向2019年×2020年比較-

「コロナの影響で自殺が多くなった」という仮説を採択するには、2020年以前と比較することが大事になってきます。
そこで2019年と2020年の自殺者数の増減を都道府県別にみてみます。
先程のグラフでも見た通り、増加のTOP5は主に大都市圏が占めています。
1位:神奈川県(⁺169人)
2位:大阪府(⁺148人)
3位:東京都(⁺130人)
4位:愛知県(⁺111人)
5位:埼玉県(⁺71人)

全国的には750人の増加だったので、この5都府県だけで629人の増加を背負っています。
一方、減少のTOP5は以下の通りです。

1位:沖縄県(‐48人)
2位:北海道(‐45人)
3位:佐賀県(-30人)
4位:秋田県(-25人)
5位:奈良県(-24人)

増加TOP5で全国の⁺750人をカバーした為、他の都道府県での増減は大きくないものとなっています。

コロナ感染者数と自殺者数の推移・考察
-単純集計のまとめ-

まだまだ続きますが、ここまでの単純集計にまつわる考察をまとめます。
ここまでで言えそうなことは次の通りです。

・ここ10年の全国的な自殺者数は下げ止まり。
・2019年→2020年での自殺者数は微増。この微増は2017年→2018年も存在。
・2020年で急に増加したのは大都市圏5都府県。

コロナ感染者数と自殺者数の関係はまだまだ多角的な検討が必要そうです。
(続く)

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