アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析

連戦の中でローテーションを駆使する両チームの対戦!
先制して守りを固める広島とそこを崩す鹿島の戦術を分析します!

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-アントラーズスタメン-

監督
ザーゴ

4-4-2

GK
沖31

DF
RSB小泉37
RCB犬飼39
LCB町田28
LSB杉岡5

MF
RDH三竿20
LDHレオシルバ4(OUT 71分)
RSHファンアラーノ7(OUT 78分)
LSH荒木(OUT 71分)

FW
CF土居8(OUT 84分)
CFエヴェラウド9

サブ
GKクォンスンテ1
DF関川33
MF永木6(IN 78分)
MF和泉11(IN 71分)
MF遠藤25(IN 71分)
MF松村27
FW染野19(IN 84分)

両SBを前節から入れ替えて臨みます。
好調の荒木選手は今節も先発。

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-サンフレッチェスタメン-

監督
城福 浩

4-4-2

GK
大迫38

DF
RSB野上2(OUT HT)
RCB今津33
LCB荒木4
LSH東24

MF
RDH川辺8
LDH青山6(OUT 75分)
RSH森島10(OUT86分)
LSHエゼキエウ(OUT 62分)

FW
CF浅野29(OUT 75分)
CFドウグラス9

サブ
GK林1
DF佐々木19(IN HT)
DF藤井15
MF柏18(IN 75分)
MF茶島25(IN 62分)
MF長沼41(IN 75分)
FW鮎川23(IN 86分)

先発6人を入れ替えての鹿島戦。
大きくやり方を変えるわけではない、としていてもこれがどう出るか。

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-アントラーズ監督コメント-

〇試合前
-ホーム2連勝に向けて選手に求めることは?
「サッカーをプレーする。言葉でいうのは簡単だがやるのは難しい。それを僕らはやる。練習でやっていることを自然体で試合でやることがベスト。それをやるために選手たちもベストを尽くしている。表現し続けるが出来れば」

〇試合後
-先制されて追いつけた試合。どう振り返りますか?
「シュート1本と、後半に1本あったぐらいで、後半にもう一本あったかもしれないが、僕が日本に来た時はサッカーの醍醐味を表現すること、それによって若い選手が成長していく。実際に来てみると、サッカーじゃなくて結果だけを見ているチームが多い。僕自身はどうかと思う。自分としてはサッカー哲学を貫いてやっていいく。選手たちは守備的なチームに対して最後まであきらめずにやったことは評価していいと思っている」

-荒木選手が連続ゴール。どう評価していますか?
「若い選手が台頭するのはチームにとっていいこと。本人も狙っている。努力しているのが出ている。若い選手がサッカーをすること、ベテラン・若手とかそういう分け方をしているわけではないが、全員にサッカーの楽しさを表現している中で、そういうところは良かった。彼は今チーム得点王。他にも刺激を与えてチームが成長していければと思う」

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-サンフレッチェ監督コメント-

〇試合前
-6人を入れ替えて臨む。
「中二日はリカバーには難しい。我々が全員で戦い抜こうというチーム。信頼してメンバーかえている」

-前節は非常に良い勝ち方。今日のポイントは?
「鹿島さんも、試合の入りはインテンシティが高い。そこに負けないように。セットプレー含めて、中断したときに集中力を高める」

-警戒するところは?
「ルーズボール、球際の厳しさに回帰していっている印象。そこが勝負の分かれ目」

-勝敗の分かれ目は?
「交代含めて全員で戦えるかどうか、というところ」

〇試合後
-最後の最後まで勝ち点3を狙った試合。どう振り返りますか?
「勝ち点3を取れなかったのは悔しいが、選手はよく戦ってくれた。応援にきてくれたファンの方と勝ち点1を持って帰れたことを喜びたい。まぁでも勝ち点3が取れた試合。2点目が決めきれなかった。もちろん、点を獲った後、相手にボールが渡る時間があったが、相手にPAに入らせない、いい守備からの攻撃もあった。後半あいてきたときに決定的な仕事ができるチームにはなりたい」

-連戦の中で積み上げが出来ている部分もあるかと思うがいかがでしょうか?
「出た選手が魂もって戦って、チームとして勝ち点を積み上げていけば、これだけ色んな選手が出ているので財産となって、リーグ中盤から後半には必ず生きてくると思っている」

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-アントラーズ戦術概要-

守備時は4-4-2で2ラインを形成するオーソドックスなスタイル。ですが、ボールの状況に応じて、あまり立ち位置にこだわりすぎない意図も見て取れます。
球際に強くいけるときがあれば、積極的にいくぶん、並びをあまり重視しない…ということでしょうか。
試合前監督コメントでサンフレッチェ城福監督が「球際のところ」と言っていた、鹿島の特徴がこうしたところにもよく表れています。

攻撃時は三竿選手が両CBの(主に)右に落ちてビルドアップします。CBと横並びというより、少しだけ斜めにズレた立ち位置を作ることで、相手に的を絞らせずにズラそうとする意図があったものと思われます。この辺りは試合中も細かく微調整を繰り返していました。
ファンアラーノ選手が左右にとらわれず幅広く動きながらチャンスを作ろうと試み、荒木選手のドリブルの持ち上がりも効果的な要素となっていました。この両サイドは今後もアントラーズの武器になっていきそうです。
サンフレッチェ先制後は特にボール保持の時間が長くなり、左からをメインに攻撃を組み立てていきましたが、前半シュート12本枠内シュート9本で0得点となってしまいました。
数字上はシュートチャンスが多かったですが、広島の5バックないしは6バックの守備組織を崩し切るまでに至れませんでした。

後半に入ると5バックを崩す為に継続してあらゆる工夫をこらします。
(試合後にザーゴ監督が「結果を優先するチームだ」と少し揶揄する形で表現していましたが、広島の6バックには本当に手を焼いていました)
継続していたのはラインの横からのクロスと、ラインの間へのボール。
このうちラインの間での1タッチや2タッチでの揺さぶりで同点ゴールを生み出しました。
引いた相手を崩す為に必要な1タッチやパス&ゴーが織り交ぜられた美しいゴールでした。
横からのクロスは6バックの斜め前、またはその横からのエヴェラウド選手を狙ったクロスが多用されました。これが得点に結びつくことはなかったのですが、この先のシーズンもこの形が多く使われていくのではないでしょうか。

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-サンフレッチェ戦術概要-

守備時はRSHの森島選手をDFラインに加えて5-3-2の形でセット。2トップは積極的にコースを限定しに行きます。
森島選手の立ち位置はどうしても5バックに加えよう、とするものではなく、
相手の杉岡選手の立ち位置やビルドアップのやり方を見て4-4-2の2ラインを形成する等、臨機応変にやろうとする意図も見えました。
前半途中から森島選手とエゼキエウ選手の位置を入れ替えましたが、エゼキエウ選手も守備ラインに入っていたことから、この立ち位置はチームとしての約束事であることが見て取れます。
先制後は更に青山選手をDFラインに入れるなどして6-3-1の守備組織を形成しました。ピッチコンディションが良くない中でリスクマネジメントをしようとしいう姿勢が表れていました。
後半はまた森島選手が右に入り、後半立ち上がりは4-4-2を形成しましたが、時間の経過と共にまた5バック気味に修正していました。後半立ち上がりの4-4-2は相手の出方を見るのと、後半頭から入った対人守備に強い佐々木選手と相手の関係を見て調整したかったのかもしれません。

攻撃時は最初は2CBで組み立てていましたが、前半途中から青山選手(または川辺選手)が2CBの間に落ちて(川辺選手の場合は2CBの横)、3枚で組み立てることに変更してきました。
こうした変更を試合中に何度もできるのが、広島の選手たちの強みとも言えますね。恐らく土居選手の立ち位置や入り方の様子を見ていたのかな、と思います。
先制点は浅野選手の素晴らしいシュートでした。鹿島が球際に来るということでドウグラス選手が負けずに触り続けたこともポジティブに作用しましたし、こぼれたところを完璧なファーストタッチでシュートが撃てるところに置いたのも得点に至る秘訣でもありました。
先制後はかなり引いた形になりましたが、ショートカウンターを中心に浅野選手や川辺選手がゴールを狙う形もありました。沖選手のファインセーブが無ければ2点目が決まっていてもおかしくありませんでした。

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-アントラーズ前半データ-

得点0
シュート12
枠内シュート9
ボール支配率57%
パス323本(84%)
オフサイド0
CK2
ファウル7
警告/退場 1/0

〇走行距離
6.6㎞ファンアラーノ7
6.2㎞荒木13
6.0km三竿20
6.0㎞杉岡5
5.9㎞小泉37
5.9㎞土居8

〇スプリント
12回杉岡5
12回ファンアラーノ7
12回三竿20
11回小泉37
10回エヴェラウド7
9回荒木13

〇パス数
23本犬飼39
22本レオシルバ4
22本杉岡5
21本三竿20
20本小泉37
19本ファンアラーノ7
18本町田28

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-サンフレッチェ前半データ-

得点1
シュート3
枠内シュート2
ボール支配率43%
パス193本(70%)
オフサイド0
CK2
ファウル6
警告/退場 0/0

〇走行距離
6.6㎞浅野29
6.3㎞青山6
6.1㎞川辺8
6.0㎞東24

〇スプリント
13回森島10
11回ドウグラス9
11回野上2
10回東24

〇パス数
18本野上2
18本東24
18本川辺8

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-アントラーズ試合通算データ-

得点1
シュート23
枠内シュート15
ボール支配率59%
パス653本(81%)
オフサイド1
コーナーキック7
ファウル10
警告/退場 2/0

〇走行距離
12.4㎞杉岡5
12.3㎞三竿20
12.0㎞小泉37
10.9㎞犬飼39
10.9㎞町田28

〇スプリント回数
22回杉岡5
19回小泉37
18回ファンアラーノ7
16回三竿20
16回土居8
14回エヴェラウド9

〇パス数
70本三竿20
60本犬飼39
58本小泉37
56本レオシルバ4
52本町田28
52本ファンアラーノ7
46本杉岡5
38本土居8

アントラーズ×サンフレッチェ 戦術レビュー&分析
-サンフレッチェ試合通算データ-

得点1
シュート6
枠内シュート6
ボール支配率41%
パス373本(70%)
オフサイド1
コーナーキック5
ファウル15
警告/退場 0/0

〇走行距離
12.3㎞川辺8
12.2㎞東24
11.4㎞今津33
11.1㎞ドウグラス9
11.0㎞森島10

〇スプリント回数
24回森島10
22回ドウグラス9
19回東24
14回今津33

〇パス
35本東24
35本青山6

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